自然と共に繁栄する島

シンガポールは都市の景観で知られる国ですが、ここには豊かな生物多様性とさまざまな生息地も存在します。410 種以上の鳥類や2100 種以上の在来植物を含む、合計 3 万 5000 ~ 4 万 5000 種の生物が記録されています。自然と共に繁栄するこの島の回復力を守り、強化するために、私たちは科学に基づいたアプローチを採用し、自然と調和して共存する方法への理解を深めています。

私たちの取り組みは、全国的な保全計画戦略に始まり、スマートで革新的なソリューションによって実現されています。

シンガポールを「シティ・イン・ネイチャー(自然の中の都市)」に変えていくためのさまざまな取り組みについて、詳細をご覧ください。

全国的なイニシアチブ

生態学的プロファイリング調査

生態学的プロファイリング調査 (Ecological Profiling Exercise、略称 EPE) は、生態学的プロファイリングツールを活用して、シンガポール在来の生物多様性の行動を理解しようとする科学的な研究です。これにより、長期計画のプランナーはその計画の中で自然を慎重に考慮し、統合することができます。

シンガポールの保全戦略を支援するために、生物学的プロファイリングツールがどのように使用されているか、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

カメラトラップ

シンガポールに存在する生態系をより深く理解するために、生態に影響を及ぼさないカメラトラップ (自動撮影カメラ) を動物が目撃された場所に設置し、その行動をモニターしています。収集されたデータによって、保全活動が容易になり、私たちの身近な場所にいる野生生物との遭遇の安全性を高めることができます。

カメラトラップの仕組みやカメラが捉えた動物たちについて、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

都市の生物多様性シンガポール指標

都市の生物多様性シンガポール指標 (Singapore Index for Cities’ Biodiversity、略称 SI) は、シンガポールが都市向けに開発した自己評価ツールで、都市が生物多様性の保全活動を評価および監視し、効率的に戦略を強化することを目的としています。

在来生物多様性、生態系サービス、生物多様性のガバナンスと管理などの指標の測定方法について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

路上動物探知システム

路上動物探知システム (Roadway Animal Detection System、略称RADS) は、道路を横断する野生生物の安全を確保するため、シンガポールの交通システムに統合されています。これにより、私たちの身近にいる野生生物との遭遇は安全なものになっています。

道路を横断する動物の存在をシステムが検知する仕組みについて、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board, David Li

東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップにおける衛星追跡

東アジア・オーストラリア地域フライウェイ (East Asian-Australasian Flyway、略称 EAAF) は、絶滅のおそれがある渡り鳥の数が最も多い主要な国際フライウェイ (飛来ルート) です。このルート沿いには22 カ国があり、シンガポールもその一つです。私たちは、EAAF パートナーシップを支持し、全国的な保全活動の一環としてこれらの渡り鳥を保護するために、2 年間にわたる太陽光発電式衛星追跡プロジェクトを実施しました。

パートナーシップや向上した追跡技術について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

100K コーラルズ・イニシアチブ

シンガポール海域のサンゴは、気候変動によるさまざまな影響を受けています。100K コーラルズ・イニシアチブは、既存のサンゴ保全活動を拡大し、シンガポール海域に 10 万株のサンゴを植えるために開始されました。

100K コーラルズ・イニシアチブの一環であるサンゴ礁の強化プロセスについて、詳細をご覧ください。

シンガポールの緑と青の空間

Courtesy of National Parks Board

セントラル・キャッチメント自然保護区

この 3043 ヘクタールに及ぶシンガポール最大の自然保護区は、さまざまな野生生物にとって貴重な生息地であり、マレーセンザンコウのような絶滅の深刻な危機にある動物たちも生息しています。この自然保護区は、シンガポールの 4 つの主要貯水池の集水域としても機能しています。

野生生物が近隣のブキ・ティマ自然保護区との間を行き来できるように架けられたエコロジカルブリッジのEco-Link@BKE (エコリンク・アットBKE) など、セントラル・キャッチメント自然保護区の特色について、詳細をご覧ください。

スンガイ・ブロー湿地保護区

シンガポール初のアセアン (東南アジア諸国連合)・ヘリテージ・パークに認定されたこの湿地保護区は、生物多様性に富み、渡り鳥にとって重要な休息地となっています。また、ここにはシンガポールで最大のマングローブ生態系が広がっています。

自然を間近で楽しめるスンガイ・ブロー湿地保護区のマングローブ・ボードウォークなどの特色について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

トムソン自然公園

トムソン自然公園は、モモジロリーフモンキーなどシンガポールで絶滅のおそれがある動物の重要な保護区です。この自然公園は、かつては中国海南省からの移民が住んでいた「海南村」の跡地でもあり、文化遺産が残っていることも特色です。

トムソン自然公園の森林浴で癒されるハイキングコースや自然散策、特別な遺産の名所について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

レールコリドー

全長 24km に及ぶレールコリドーは、シンガポール島内を縦断する緑の遊歩道で、ブキ・ティマ自然保護区やデイリー・ファーム自然公園などの主要な緑地を結んでいます。動物たちにとっては重要な生態学的回廊であると同時に、私たちをいろいろな自然地域へと導いてくれるレクリエ―ション回廊でもあります。

レールコリドーの豊かな生物多様性と遺産について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

シスターズ島マリンパーク

シスターズ島マリンパークは、サンゴ礁や海洋生物の保護を目的としたシンガポール初の海洋公園です。サンゴの養殖場やカメの孵化場があるほか、ネプチューンズ・カップ・スポンジ (海綿動物の一種) などの絶滅の深刻な危機にある生物の生息地でもあります。

シスターズ島マリンパークの豊かな海洋生態系や、ダイブ・トレイルなどの探検型アクティビティについて、詳細をご覧ください。

絶滅の危機に瀕した仲間を守る

Courtesy of National Parks Board, Max Khoo

マレーセンザンコウ
(英名: スンダ・パンゴリン)

マレーセンザンコウは、用心深く単独で行動する夜行性の哺乳類で、体は硬い毛の固まりでできた鱗で守られています。 シンガポールでは密猟による危険は少ないものの、動きの鈍いセンザンコウは、森林地帯から離れて道路に迷いんでしまうと、車にひかれて死んでしまうロードキルの最大の脅威に晒されています

国家保全戦略および行動計画などの保全活動によって用心深いセンザンコウがどのように保護されているのか、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board, Ganesh Thayagarajan

シロクロコサイチョウ
(英名: オリエンタル・パイド・ホーンビル)

1800 年代、シンガポールではシロクロコサイチョウの個体群が姿を消したため、この地域では絶滅したと考えられていました。 1994 年にシロクロコサイチョウが ウビン島 (シンガポールの北東にある島) に再び現れたとき、その個体数を増やすためにシンガポール・サイチョウ・プロジェクトが開始されました。

シロクロコサイチョウの復活の背景にある保全活動の成功について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board, Jeanne Tan

モモジロリーフモンキー
(英名: ラッフルズ・バンディット・ラング―ル)

めったに姿を見せないこの霊長類はシンガポールの在来動物で、1822 年にスタンフォード・ラッフルズ卿によって初めて発見されました。 この種はその後、彼の名にちなんで名づけられました。 絶滅の深刻な危機にありますが、現在、この種の長期的な保護を確実にするための取り組みが進められています。

さまざまな組織や政府機関が協力して保護活動を推進する方法について、詳細をご覧ください。

Courtesy of National Parks Board

タイマイ
(英名:ホークスビル・タートル)

タイマイは鮮やかな美しい色をしており、鷹 (英語で「ホーク」) のくちばしのような特徴的な口からその名前が付けられました。 タイマイは絶滅の深刻な危機にある種であるため、海岸で孵化したより多くの赤ちゃんカメが安全に海にたどり着けるように、さまざまな対策が講じられています。

シスターズ島マリンパークのカメの孵化場などの保全活動について、詳細をご覧ください。

ビロードカワウソ
(英名: スムースコーテッド・オタ―)

ビロードカワウソは遊び好きな哺乳類で、ビロードのように滑らかな毛にちなんで名付けられました。 絶滅の深刻な危機にある種として認識されていますが、適応力が高く、スンガイ・ブロー湿地保護区のようなシンガポールの自然空間では、群れで目撃されることが多くなっています。

ビロードカワウソについて、またシンガポールがビロードカワウソの居場所をどのように作っているかについて、詳細をご覧ください。